とにかく接戦に弱く、13敗中10敗が1点差負け。13ゴールを記録したMF岡田優希の決定力頼みのチームだった。フリアン政権時の4バックを捨て、3バックに変更したことである程度失点は減ったものの、残留を決めるのがやっとだった事実を鑑みると、新たな指揮官を迎え入れる可能性は高いだろう。
FC大阪:大嶽直人監督
評価:★★★★☆/続投可能性:90%
FC大阪は1996年に創設。大阪府リーグに所属していたアマチュアクラブを母体に、2018年“大阪第3のJクラブ”として法人化され、東大阪市の花園ラグビー場に本拠地とする。2020年にJリーグ百年構想クラブに承認され、翌2021年にはJ3ライセンスが交付された。そして2022年、JFLで2位に入りJ3に昇格する。本格的にJを目指してからJ3に参戦するまでわずか4年というスピード出世ぶりだ。
J3で1年目となる昨2023シーズンは志垣良監督の下11位に終わったものの、失点数はリーグで3位の少なさと、堅い守備が特徴のチームだった。昨季、一度は不交付となったJ2クラブライセンスも、今年9月になって交付され、5位からの昇格を目指す。
今2024シーズン、指揮を執った大嶽直人監督は、志垣前監督が築いた堅守をベースに手堅く勝ち点を稼いだ。総得点「42」はプレーオフ進出チームの中で最低ながらも、総失点「30」は大宮アルディージャと並びリーグ最少だ。
粘り強さは一級品で、スコアレスドローは実に8試合。第4節FC岐阜戦から第7節FC今治戦まで4試合連続スコアレスドローを演じ、2015年のブラウブリッツ秋田以来のJリーグタイ記録に。しかし、第30節FC琉球戦から第37節SC相模原戦まで5勝2敗1引き分け(うち6試合で完封)で乗り切り、プレーオフ進出を決めた。
とにかく「堅実」という言葉がピッタリのチームカラーで、得点も失点も少なく派手さには欠けるが、鹿児島ユナイテッド(2022-23)でも1年目3位、2年目2位という好成績を収めた元日本代表DFでもある大嶽監督に導かれ、今季プレーオフで敗退したとしても、来季以降もJ2昇格のチャンスはあるだろう。