翌2023シーズンからFC岐阜のヘッドコーチに就任し、辞任した上野優作監督の後を継いで監督に就任した天野監督。同シーズン8位にまで持ち直し、今2024シーズンは昇格争いを演じるまでに押し上げた。Jリーグはもちろん、JFL、プロ化前のJSL(日本サッカーリーグ)、海外クラブも含め、選手経験のないままJクラブの監督を務めている稀有な存在だ。
地域リーグやJFLでのプレー経験もあり、19ゴールで得点王を獲得したFW藤岡浩介の決定力を生かし、リーグ2位の17ゴールを記録。チーム総得点「64」は大宮アルディージャに次ぐリーグ2位タイの数字だ。しかしながら守備にやや難があり、第26節松本山雅戦から第29節北九州戦までの4連敗と、2度の3連敗が最後に響いてしまった格好だ。
来2025シーズン、再度昇格争いに加わるためには守備面の改善が急務だ。終盤戦の快進撃には目を見張るものがあり、2位で昇格を決めたFC今治を4-1で粉砕し、プレーオフ進出を決めたFC大阪相手にも2-0で完勝している。2020シーズンからJ3を戦っている岐阜。一時は大きく観客動員を減らしたが、その数も戻りつつある。サポーターを魅了する攻撃サッカーで、来季も上位戦線を賑わせそうだ。
カターレ富山:小田切道治監督
評価:★★★★☆/続投可能性:90%
カターレ富山は、2007年に北陸電力サッカー部アローズ北陸とYKK APサッカー部が合併して誕生した。小田切道治監督は、その一方のYKK APに所属(2006-07)し、合併を体験したプレーヤーの1人だった。
強豪の富山第一高校から、当時J1の京都パープルサンガ(現京都サンガFC)に入団したものの、1試合も出場することなく1999年にJ2ヴァンフォーレ甲府に移籍。翌年にはJFLのジャトコに移り4シーズンを過ごした後、2004年に地元であるYKK APに加入。キャリアの終盤にはチーム合併やJ2昇格を経験するなど、浮き沈みの激しい現役生活だった小田切監督。