しかし、問題はその中身だ。上記のうちドイツとカナダでは、サッカーのキラーコンテンツでもあるUEFAチャンピオンズリーグ(CL)が視聴可能なのだ(カナダではUEFAヨーロッパリーグ(EL)も視聴可能)。
日本版DAZNも、欧州CLの放映権を2018/19シーズンから3年契約で獲得したものの、2020年にコロナ禍のあおりを受け2年目の途中で契約を破棄。放映権が宙ぶらりんとなってしまい、その後に「WOWOW」が放映権を再獲得するまで、日本の欧州サッカーファンはUEFAが運営する「UEFA TV」でのストリーミング中継(日本語実況なし)に頼らざるを得ない時期もあった。そして日本での欧州CL・ELの放映権は、今でもWOWOWが持っている。
また、欧州CLに続く人気コンテンツであるイングランドのプレミアリーグは、2023年に韓国の「SPOTV NOW」に奪われ、今2024/25シーズンは「U-NEXT」で独占配信されている。ドイツのブンデスリーガは「スカパー!」で長期にわたって放送されている。
現在の日本版DAZNが放送しているのは、スペインのラ・リーガ、イタリアのセリエA、フランスのリーグ・アン、ベルギーリーグに加え、イングランドのカップ戦(FAカップ、カラバオカップ)と2部のEFLチャンピオンシップ、イタリア杯(コッパ・イタリア)、フランスリーグ杯(クープ・ドゥ・フランス)、ベルギーカップなど。2部リーグやカップ戦を配信しているものの、日本代表MF久保建英(レアル・ソシエダ)がいるラ・リーガと、日本代表GK鈴木彩艶(パルマ)がいるセリエAだけでは「目玉コンテンツ」としては、やや弱い印象だ。
サッカーファンの心を逆撫で?
そこに日本版DAZNは、サッカーファンの心を逆撫でするようなサービスを打ち出す。プロ野球専用の「DAZN Baseball」という安価なプランが提供されたのだ。こうしたパック料金がサッカーに関して設定されなかったことで、「DAZNはサッカーを見捨て、野球に乗り換えたのか」と反発を受けた。