その上、来2025シーズンからはJ3中継がなくなり、NTTドコモが運営する「Lemino」が全試合無料ライブ配信することが決定している。それに先立ち、今2024シーズンのJ3最終節10試合、12月1日と7日に開催されるJ2昇格プレーオフも無料配信される。

DAZNの財務諸表が公開されていない以上憶測の域を出ないが、度重なる値上げと、契約締結時の約束でもあった「Jリーグ全試合ライブ配信」を裏切る形のJ3放映権の譲渡によって、「DAZNの財務状況は、実は火の車なのではないのか」といった声もある。“損切り”された形のJ3だが、これを機にJ3クラブのサポーターのDAZN離れが進み、「Lemino」に流入するだろう。

UEFAチャンピオンズリーグ 写真:Getty Images

海外版DAZNとの比較

果たして、DAZNのこの判断の決め手は何なのか。Jリーグとの大型契約は見込み違いだったのか。ここでは、日本以外でDAZNのサービスを展開するドイツ、イタリア、イギリス、スペイン、アメリカ、カナダ、ブラジルといった国との比較を示していきたい。まず料金面で、月額ベースでの料金は下記の通り。

  • DAZNドイツ:29.99ユーロ(約4,890円)
  • DAZNイタリア:29.99ユーロ(約4,890円)
  • DAZNイギリス:9.99ポンド(約1,950円)
  • DAZNスペイン:9.99ユーロ(約1,630円)
  • DAZNアメリカ:19.99ドル(約3,080円)
  • DAZNカナダ:19.99ドル(約3,080円)
  • DAZNブラジル:34.90レアル(約935円)

2022年、DAZNドイツも14.99ユーロ(約2,447円)からほぼ倍額の値上げを敢行し、同年にはDAZNイギリス、その前年にはDAZNイタリアも値上げされ、続くようにDAZNスペインも値上げされた。単純比較だけで言えば、ドイツ、イタリアとは同程度であり、日本だけ特に割高というわけではないことが分かる。