20時:気象庁とフッカル川水園連盟が属している中央政府の環境・エコロジー省のNo.2ウーゴ・モラン氏が州政府に電話を入れて流量が少なくなることはないと伝えた。今頃になって、中央政府が州政府に接触して来るという怠慢さ。
彼はバレンシア地方で洪水になる可能性があるというのが分かっているにもかかわらず南米のコロンビアへ出張していた。生態系多様性の展示会に出席して講演するためだった。だから彼が州政府に電話を入れたのはコロンビアからであった。バレンシアで洪水になる可能性があるのと分かっているにもかかわらず出張する必要があったのであろうか。
更に環境・エコロジー省の怠慢は、そのトップである大臣テレサ・リベラ氏も洪水になる可能性があるのを知っていたにもかかわらずスペインを不在にしてブルッセルに出張していたのである。EU委員会の副委員長になるための自己アピールをするためであった。
フッカル川水園連盟も気象庁も州政府に提供していた予測が正確さを欠いていた。この二つの組織の最高責任者は環境・エコロジー省のテレサ・リベラ相である。しかも、今回の被害を受けた近郊都市を流れているポーヨ水溝の清掃をして水の流れる容量を拡げる工事をせねばならなかったのに、それを彼女は3年前から延期していた。それも今回の氾濫の要因になっている。
そしてサンチェス首相も洪水の始まった当日インドを訪問すべくスペインを出発した。
このように、今回の大惨事をもたらしたのはこの5人の政治家の職責への怠慢以上なにものでもない。だから、この5人は責任をとって辞任すべきである。それでも被害と死者が減るわけではない。しかし、少なくとも任務の遂行を怠り多大の被害を及ぼしたことに責任を負うべきである。ところが、彼らは辞任するなど全くその意向はない。スペインで政治家が辞任するというのは殆どない。