原岡:抱えたのではなく、抱えさせられてしまっているんです。

加藤:そうそう。検査をしたくてしかたない医療関係者と研究者、いまさら引き返せないので事勿れ主義で押し通そうとする自治体関係者とかに。

原岡:子供たちのためなんて嘘っぱちで、大人たちが暴走したままで。検査には同調圧力や、もしかして自分はがんかも……という心配がつきまとうんですよ。そんな心配はしなくてよいのに、福島の親と子だけがつらい思いをしています。

鼻血、処理水、除去土壌、甲状腺がん検査

加藤:さっき、それそのものは政治的ではないと言ったわけだけど、甲状腺がんは政治的に利用されています。2014年までは鼻血とがんなどの病気、2020年代は処理水。これからは除去土壌が反原発のふりをした反権力運動の推進剤として使われて、これらがひと段落つくと甲状腺がんがまたまた持ち出されるでしょうね、彼らにとって最後のネタとして。レジ袋鼻血のデマで一躍有名になった早稲田大学の鴨下君も、甲状腺がんを持ち出しているし。

原岡:あの子たち親子より私のほうが原発から近いところに居た住民で、もっと長い時間あの場所に居ましたけど、レジ袋に鼻血を溜めたりしなかったし、そんなことをしている人はどこにもいませんでした。鴨下一家が住んでいたいわき市XXXのことなら、仕事関係の人が住んでいたからよく知っていますよ。いわきの人なら、あの町でみんな何事もなく暮らしているのは常識です。あの家族だけでなく早稲田の教授も、底抜けの世間知らずなんでしょうけど、世間を舐めすぎです。

加藤:一家のプライドのためなのか、それとも家族を繋ぎ止めるためなのかわからないけど、結果的に福島県は彼らの養分にされてしまったよね。福島県の人たちは反原発運動でも、この10年間の政治でも、甲状腺がん検査でも養分にされてしまった。養分にされるというのは、精神的な負担もあるけど、利用されてお金にされる反原発経済圏がつくられたということです。