「ベター」は原子力発電所の機能や性能ではなく、福島の状況について言っているのですから、この点を考慮すべきでしょう。

福島県の内堀知事も、このような文脈を正確に理解しているからこそ、踏み込んだ評価ができるものではないと判断したのでしょう。

トランプ氏はその後も1h12m8s から再度原子力発電について触れていますが、原子力発電自体は他の発電よりも優れており危険も少ないと言っており、フランスで原子力が盛んであり、気候温暖化よりも”nuclear warming”の方が深刻だ、という主張をしていました。*2

“nuclear warming”の意味は定かではありませんが、「核戦争の過熱」のような意味合いに聞こえます。同様の認識を書いているものとしてガーディアンの以下の記事。

Five ways a Trump presidency would be disastrous for the climate | US elections 2024 | The Guardian

実は、10月と同様の主張が8月にも行われていました。

8月のイーロン・マスクとの対談ではブランディングの問題として「3000年は住めないと言われている」

「3000年は住めないと言われている」というトランプ氏の発言は、8月のイーロン・マスクとの対談でも問題視され報道もされていたので、情報を整理していました。

文脈が重要で、5つの核兵器保有国の話から原子力発電政策の話に移った際に”nuclear=核”という言葉が核兵器を連想させるため、名前を変える必要がある、ブランディングの問題がある、という話が先に来ていました。

会話の流れからは「そう巷で言われていることの問題」として語っていると解することができるものでした。

ただ、本当にそれにとどまるのか?トランプ自身がそう思っていることを誤魔化すために他人が言っていることにしているに過ぎないのではないか?仮に他者の例示だとしてもあまりに不用意な発言で、明確に危険が無いことを言及しない時点で問題ではないか?という疑問や指摘は、妥当なように思われます。