第2位 ダマスカス鋼

当時の技術力では作れるはずのない「古代遺物ランキングTOP10」
(画像=「ダマスカス鋼」の木目の表面 / Credit: ja.wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

「ダマスカス鋼(こう)」は、紀元前6世紀の南インドで開発された「るつぼ鋼」の別称です。

その後、1000年以上の歴史を持ち、中世の中東世界でも使われています。

表面の木目状の模様が最大の特徴であり、硬度と刃の鋭利さに定評がありました。

木目模様は、「るつぼ」による製鋼に生じる内部結晶作用に起因するとされています。

古代世界では広く普及していたにもかかわらず、その製法はすでに失われてしまいました。

理由としては、製法の機密性や必要な鉱石の調達が困難になったことなど、様々な説が挙げられています。

現在も専門家や刀鍛冶たちが再現を試み、ある程度の成功を収めていますが、まだ完全なものとは言えません。

第1位 ストラディバリウス

当時の技術力では作れるはずのない「古代遺物ランキングTOP10」
(画像=12億7420万円で落札されたストラディバリウス『レディ・ブラント』 / Credit: ja.wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

第1位の「ストラディバリウス」は、歴史上最も有名な弦楽器です。

イタリア北西部・クレモナで活動した名工、アントニオ・ストラディバリ(1644-1737)の手によるもので、その比類なき音質から世界中の演奏家に愛されています。

ストラディバリとその一族が、1600年代から1700年代にかけて製作し、現在までに約600挺(ちょう)が現存しています。

ストラディバリは1680年、クレモナのサン・ドメニコ広場に工房をかまえると、またたく間にその天才性を発揮しました。

当時の技術力では作れるはずのない「古代遺物ランキングTOP10」
(画像=楽器を製作するストラディバリ(1893年・画エドガー・バンディ) / Credit: ja.wikipedia、『ナゾロジー』より引用)

2人の息子と共に、生涯で1116挺の弦楽器を残したとされます。

しかし、彼と一族の死後に後継者は存在せず、ストラディバリの用いた製法は失われてしまいました。

ストラディバリの製法を再現する試みは今も続いていますが、こちらも再現はできていません。

最近の研究では、ストラディバリウスの独特な音色は「防虫剤」のおかげだったことが判明しています。


参考文献

10 Ancient Technologies We Cannot Recreate Today


提供元・ナゾロジー

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