第2位 ダマスカス鋼
「ダマスカス鋼(こう)」は、紀元前6世紀の南インドで開発された「るつぼ鋼」の別称です。
その後、1000年以上の歴史を持ち、中世の中東世界でも使われています。
表面の木目状の模様が最大の特徴であり、硬度と刃の鋭利さに定評がありました。
木目模様は、「るつぼ」による製鋼に生じる内部結晶作用に起因するとされています。
古代世界では広く普及していたにもかかわらず、その製法はすでに失われてしまいました。
理由としては、製法の機密性や必要な鉱石の調達が困難になったことなど、様々な説が挙げられています。
現在も専門家や刀鍛冶たちが再現を試み、ある程度の成功を収めていますが、まだ完全なものとは言えません。
第1位 ストラディバリウス
第1位の「ストラディバリウス」は、歴史上最も有名な弦楽器です。
イタリア北西部・クレモナで活動した名工、アントニオ・ストラディバリ(1644-1737)の手によるもので、その比類なき音質から世界中の演奏家に愛されています。
ストラディバリとその一族が、1600年代から1700年代にかけて製作し、現在までに約600挺(ちょう)が現存しています。
ストラディバリは1680年、クレモナのサン・ドメニコ広場に工房をかまえると、またたく間にその天才性を発揮しました。
2人の息子と共に、生涯で1116挺の弦楽器を残したとされます。
しかし、彼と一族の死後に後継者は存在せず、ストラディバリの用いた製法は失われてしまいました。
ストラディバリの製法を再現する試みは今も続いていますが、こちらも再現はできていません。
最近の研究では、ストラディバリウスの独特な音色は「防虫剤」のおかげだったことが判明しています。
参考文献
10 Ancient Technologies We Cannot Recreate Today
提供元・ナゾロジー
【関連記事】
・ウミウシに「セルフ斬首と胴体再生」の新行動を発見 生首から心臓まで再生できる(日本)
・人間に必要な「1日の水分量」は、他の霊長類の半分だと判明! 森からの脱出に成功した要因か
・深海の微生物は「自然に起こる水分解」からエネルギーを得ていた?! エイリアン発見につながる研究結果
・「生体工学網膜」が失明治療に革命を起こす?
・人工培養脳を「乳児の脳」まで生育することに成功