⑤ 経営が苦しいので、配当を出して総財産を減らすようなことはせず、将来の原資にしたい。
⑥ (小さい会社に多い話だが)配当を出せば株価が上がり、個人経営者にとっては相続対策にならず、また、法人税・経営者の所得税・住民税と多くが税で持っていかれる。そのうえ配当は損金計上できない。
⑤ 経営が苦しいので、配当を出して総財産を減らすようなことはせず、将来の原資にしたい。
⑥ (小さい会社に多い話だが)配当を出せば株価が上がり、個人経営者にとっては相続対策にならず、また、法人税・経営者の所得税・住民税と多くが税で持っていかれる。そのうえ配当は損金計上できない。
・・・こういったところであろうか。
⑤については、利益剰余金の過剰な積み上げの問題の話をしているのでここでは問題ないと考える。
⑥は、経営者の保身という意味では経営者のリスク対策と言えようが、ここは内部留保が問題という意見には違和感がなく、解消の声をあげてもいいだろう。
しかし、①(②)については、会社の成長と株主の利益にあてるための対策であり、特に①は借金が少なければ返済の心配がないという意味でリスク対策でもあり、多少過剰であっても問題が生じるものではなく、「自己資本比率の向上」として否定されるものではないし、ROA(総資産利益率)は悪化はしない。ただしこれには、自己資本比率の向上は借金という経済活動を円滑にせず、かつROEの低下は株式投資意欲を阻害する、という意見があるかもしれない。
③は、「リスク対策のために現預金を蓄える元手として内部留保を温存する」ということであり、確かにこの目的で現預金を蓄えるために内部留保を配当しないことが、リスク対策として許容できる以上に多ければ、効率的な経営を妨げる。たぶん、まともな経営者なら内部留保に関して①~③の感覚をお持ちだろうと思う。
④はとんでもない話であるが、なんとなくありそうである。いわゆる放漫経営というものであろう。これが原因で内部留保が過剰であれば、「ROE(自己資本利益率)が低く資本効率が悪い」という問題を引き起こす。
この③と④が内部留保悪者説の元凶であろう。コメント主もおっしゃりたかったのはこういうことであろう、と思う。
では、いろいろある内部留保がたまる原因の中で、①(②)は自己資本比率向上の行き過ぎを問題としない限り過剰であっても問題ではない。逆に求められるかもしれない。