トランプ次期大統領による「関税」に次ぐ重要な言葉。「力による平和」。平和ボケが多い日本人がしっかり勉強するべき概念だ。

地球は多極化し、アフガン、イラク戦争の失敗もあり、米国の国力が低下しつつある中で、中国やロシア、北朝鮮、イランなどの反米勢力は着実に力を増しています。一部のグローバルサウス諸国もこれに同調し始めています。

米国が掲げる民主主義や人権など理想的なものよりも、経済など目先の利益が優先される現実があり、中国に同調する国も増加しています。

そんな中、トランプ氏は以前からNATOとの同盟関係を軽視し、在韓米軍の撤退すら示唆してきました。彼の外交姿勢は常に「自国=自分第一主義」です。

さらに今までの言動から考えると、トランプは自分のことは自分でやるべきという考えを強く持ちます。例えば日本が自国防衛に米国の軍事力に依存することには基本的反対です。これまでの世界の民主化のために日本防衛をするという綺麗ごとの考えは否定。防衛してやるからお金を出せとか、代わりになにか取引できるものをよこせという分かり易い理屈で動きます。

同時に楽観的過ぎるかもしれませんが、米国が向い合う3正面のうち、ウクライナ、中東より優先順位が高いといわれる対中国対策。ここで、在日米軍基地がいままで以上に重要になる。そのため、トランプが日米関係をいままで以上に大切にする可能性がある。もしそうなら、少々日本は安心できます。

一方、日本国内には、先の戦争の反省とトラウマから「戦争=絶対悪」「原爆=反対・廃絶」を唱えるだけに留まり、抑止力を考えないで思考停止に陥っている人々がまだ多くいます。

憲法9条は1945年に日本の侵略を防止する目的で米国が日本に押し付けたものです。しかし、現在の国際政治の環境で、中国など他国による日本への侵略防止には一切役立ちません。それどころか、国際的には意味をなさない9条や平和主義、専守防衛などが、かえって他国の侵略を助けることになりかねません。