戦争の善悪論は別として、何らかの理由で戦争が起こった場合、皆が祖国のために戦う。同盟国であれば「お互いに守り合う」のが、日本以外の世界の常識です。敵の銃弾を受けている時に、自国は「9条があるので戦わない」「米軍さん日本を守って」として、援護を拒否するような状態では、軍事条約上の同盟国とは言えませんし、自立した主権国家とも言えません。

自国が戦争しない平和主義であり、憲法9条に基づき戦争をしないとしながら、逆に自国が守られる際には米国のために動かないという形が、トランプを選出した内向きで自国優先の米国民・米議会に許されるはずはありません。これまでの歴史・経緯を米国政府が説明しても、米国民はまず納得しないでしょう。

「独立自尊の日本」を掲げるのであれば、まず日米条約を破棄するのが第一歩です。その際に、日本は自国を守れるのか、という問題があります。現在、国民の危機意識が希薄であり、自衛隊員も足りず、弾薬も3週間程度しか持ちません。9条の看板を掲げ、日本は戦わない平和主義の国ですと、命乞いをするのでしょうか?

それとも、究極の選択として独自の「核武装」を行いますか?その場合、米国が最大の敵国となり、経済制裁を受けるでしょう。

私は基本的にいまは反対ですが、核関連は全てタブー、核アレルギー日本が、自国の独自防衛を真剣に考え始めたことを示す。議論そのものは必要でしょう。中露北に対する抑止になり、米国にも意味があるシグナルになり得る。

スイスのように永世中立国を宣言し、侵略しないように願うのも1つの方法ですが、先の大戦やウクライナ戦争の時のスイスの言動を学べば、それがあまりにも日本にとって現実的でないことが理解できるでしょう。

外交交渉だけで、日本の平和を維持することは可能でしょうか?外交と軍事力は車の両輪、常に同時に動いています。外交努力は常に行われています。だがそれが破綻することもあり得ます。過去の歴史を学べば、外交だけによる平和維持が残念ながら不可能であることがわかります。