「完璧でなければならない」などの心理的免疫システムは無意識の目標や恐れ。これらは表面的には見えないが、実際には個人や組織が安定を保つために維持しようとしているもの。
根本的な信念や行動規範から成り、個人や組織の深層心理に根付くもので、ヒトの重要な行動決定要因となっている。
多面的な視点や時間軸を柔軟に長く見るとこれらの免疫によって具現化された”回避“行動はその瞬間回避できると錯覚するが、実は危険を回避できていなく、より危険に近づくものであるため個人、組織のパフォーマンス改善を阻害する。
Ⅱ:弱点克服の歴史では、階層型組織の弱点=情報流通不全を克服するために、どのような法律や制度の補完を行ってきたのだろうか。
法律面2000年以降の日本における企業統治の整備は、以下のような法令や制度が制定されている。
2003年:個人情報保護法が成立し、事業者に安全管理措置義務。
2005年:会社法が成立し、内部統制システムの構築が取締役の義務として規定。これにより、多くの企業がグループ横断的なコンプライアンス・リスクマネジメント体制の構築に動く。
2006年:金融商品取引法(J-SOX法)が成立し、内部統制報告制度が新設。この制度は、有価証券報告書提出企業に内部統制の基本方針を取締役会で決議を求める。
2015年:コーポレートガバナンス・コードが金融庁と東京証券取引所によって発表され、上場企業はこれに沿って取り組みを報告することが求められるようになる。
2018年:改正会社法により、社外取締役の義務化や株主総会の運営に関する規制が強化。
2021年:コーポレートガバナンス・コードの改訂版が発表され、サステナビリティやダイバーシティの要素が強化。(これはサステナブル投資市場の急速な拡大に伴い、企業のリスクマネジメントやコンプライアンスの取り組みが企業価値向上と合致するようになったことを意味する。サステナブル投資はESG(環境、社会、企業統治)やサステナビリティを重視し、機関投資家がこれを投資判断に組み入れる動きが広がっている。)