企業が持続可能な成長を達成するために、社員一人ひとりのスキルや能力を最大限に活かす人的資本の価値が一層重要視されるようになった。日本国内の倒産件数約9千件に対して人手不足倒産は3%程度であるが年々倍増している。

企業が「ヒト」を中心に据えた経営戦略を展開することが、持続的な競争優位を確立する鍵なのは言うまでもないが、様々なコンサルティング、VC、再生の現場などからこの変化に対応して行動変化できている経営者はまだまだ少ない。

また、昨今の上級管理職によるセクハラ事案も後を絶たないが、これもメタ認知を欠いた結果といってよく、かつての環境化では許容、見逃されていた言動が現状許されなくなっているという環境認識をアップデートし、自身を客観視ができないからこそ起きている現象である。

参考著書③「倫理資本主義」マルクス・ガブリエル

冒頭に述べた不正のトライアングルにて、「動機」は過度な資本主義の行き過ぎ、利益追求によって醸成されている。

マルクス・ガブリエルの「倫理資本主義」は、現代の資本主義において倫理的側面が重要であると強調する。彼は、経済活動が単なる利益追求ではなく、社会的および環境的責任を伴うべきと主張。

企業や個人は、自らの行動が社会全体に対して責任を持つ必要があり、短期的な利益ではなく、長期的な社会的利益や環境保護を重視すべきと。

さらに、企業活動の透明性と説明責任の重要性を指摘し、持続可能な発展と労働条件の向上を倫理資本主義の重要な要素としている。彼の考えは、経済活動がより倫理的でなければ今後持続可能性を失うことを示している。

B:0次情報

情報流通不全を解消する手立てとして「0次情報」という概念を提唱したい。

0次情報とは、1次情報よりも身体感覚でとらえるRaw Date、ナマの事実情報を捉える、という視点である。

これまで、部下からの報告が基幹システム上のデーターやテキストや口頭(1次情報)に頼るだけでなく、さらに一歩踏み込んで、トップ自らの身体感覚や直接的な観察を通じて、最も根源的で未加工の情報(Raw Data)にアクセスし、現場の状況を直接確認することを意味する。