そんな時間は無い、という反論がありそうだが、月に1日、いや四半期に1日でよい、実践して欲しい。具体的には、顧客接点の現場、役務提供やサービスの現場、価値創出の現場を観察し、身体感覚でとらえることで一瞬で不具合に察知できることを体感できると確信する。

0次情報の収集の意義と利点

・リアルタイムでの現場把握: 0次情報の収集は、上司が現場に足を運び、実際の状況を直接確認することを通じて、タイムラグなく、フィルタリングされていない情報を得ることができる。これにより、上司は現実を即座に把握し、即時の対応が可能。

・意思決定の質の向上: 実際の現場の「0次情報」に基づいて意思決定を行うことで、机上の理論や抽象的なデータに基づく判断ではなく、現実に即した具体的で的確な判断が可能。

・問題の早期発見と解決: 部下の報告だけでは見逃されがちな細部や、現場ならではの課題を早期に発見することができる。これにより、問題の発生源を早い段階で特定し、迅速に対応することが可能。

「0次情報の収集」という概念は、アナログながら従来のマネジメントにおける情報収集プロセスに、新たな視点を加えるもの。

上司が身体感覚を通じて現場の状況を直接把握することで、より実践的で現実に即したマネジメントを可能とする。このアプローチは、組織の健全な運営や、現場と経営層の間のギャップを埋めるための有効な手段となる。

C:観察⇒その場で指示せずにただ”観る”、物理的に身体感覚として現場に触れる

「0次情報の収集」という概念において、上司が現場で観察を行う際の重要なポイントは、“観察”そのものに専念し、その場で指示や指導、フィードバックを行わないこと。

上司が現場を訪れる際には、直接の干渉を避け、状況をありのままに観察することが求められる。これにより、現場の実態や雰囲気を歪めず、正確な「0次情報」を得ることが可能となる。

重要なのは、現場の管理責任があくまで部長や課長といった現場の監督官にあるという点。トップはその管理責任を尊重し、現場で得た情報や気づきをその場で現場のメンバーに伝えるのではなく、別の場で当該責任者に対してフィードバックを行うことが原則。