ただウクライナと一緒になって、モンゴルを一方的に非難し、戦争犯罪人扱いする、というのは、賢くない。歴史の重みを十分に受け止めていることをモンゴル側に見せたうえで、なおICC加盟国としての義務の重要性を語り合うような外交関係に持ち込みたかった。

よくあるやり方として、日本はこの問題にほとんど沈黙を貫いている。失敗をしないためには、それも一つのやり方ではあるだろう。「日本が何をしたって結果は変わりません」と言う日本の外交官の常套句も聞こえてきそうである。しかし、他国を動かす結果が明白に出るのでなければ外交はしない、つまり平時の信頼関係の醸成などには関心がない、などと言う外交官に、何の存在価値があるだろうか。

日本が積極的にICC加盟国及びアジア諸国の双方からの信頼感を勝ち取っていくためには、歴史を踏まえたうえで、なおICCの重要性を語っていく、という深みのあるアプローチが望ましかった。せめてそれを追求する姿勢を見せてほしかったところである。

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