日本の1人あたりGDPは、自国通貨ベースでも1997年をピークにして1998年から停滞が続きますが、当時は為替レート換算で世界でもかなり高い水準に達していた事になります。

続いて、最新の2023年の国際比較をしてみましょう。

図3 1人あたりGDP 名目 為替レート換算値 2023年IMF World Economic Outlook Databaseより

図3が2023年の1人あたりGDPの上位40か国です。

ルクセンブルク、スイス、ノルウェーが相変わらず高い水準ですが、アイルランドが2位、シンガポールが5位と大きく順位を上げています。

他にも、カタール、マカオなど西欧諸国以外にも上位に入っているのが印象的です。

アメリカは6位を維持しています。

ドイツ、フランス、イギリスは順位を落としていますが、日本は33,806ドルで特に大きく順位を下げています。

1人あたりGDP 名目 為替レート換算値 2023年 単位:ドル 1位 129,810 ルクセンブルク 6位 81,632 アメリカ 18位 53,538 カナダ 19位 52,727 ドイツ 23位 49,099 イギリス 25位 46,001 フランス 28位 38,326 イタリア 34位 33,806 日本 35位 33,192 韓国

韓国は1997年と比べれば3倍近くの数値になっていますが、順位は1つ上昇した程度です。

4. 1人あたりGDPの推移:購買力平価換算値

為替レートによるドル換算値は、市場為替レートの変動の影響を受けてアップダウンします。

時々の市場レートに応じた時価のような側面がありますが、国際比較しようとすると目まぐるしく数値が変化するため傾向を把握しにくいという特徴がありますね。

OECDやIMFでは、もう1つのドル換算の指標である購買力平価換算値も公表されています。

購買力平価でドル換算すると、物価水準をアメリカ並みに揃えた上での数量的な経済水準の比較を試みることになります。