この説明にはいくつかの問題がある。アメリカの景気統計はこの二つだけではない(表2)。
表2 アメリカの主な経済指標
ジャンル 経済指標
雇用関連 米国雇用統計
ADP雇用統計
金融政策 FOMC声明/議事録
フェデラル・ファンド金利(FF金利)
景気関連 国内総生産(GDP)
ISM製造業景気指数
貿易関連 貿易収支
物価関連 消費者物価指数(CPI)
消費関連 小売売上高
個人消費支出(PCE)
消費者信頼感指数
製造業関連 鉱工業生産指数
住宅関連 住宅着工件数
中古住宅販売件数
確かにそれは主要なものとして世界が注目しているが、大きなアメリカの景気判断はそれだけではできない。小売りの動向をみれば7月は市場予想0.4%を上回る1%増だ(6月の▲0.2%から改善!)。ここを譲って、問題の統計を見てみよう(表3)。
表3 アメリカ・ISM製造業景気指数の推移
データ期間 予想 結果
2024年7月 49.0 46.8
2024年6月 49.0 48.5
2024年5月 49.7 48.7
2024年4月 50.1 49.2
2024年3月 48.3 50.3
2024年2月 49.4 47.8
2024年1月 47.0 49.1
2023年12月 47.2 47.4
2023年11月 47.6 46.7
2023年10月 49.0 46.7
2023年9月 47.7 49.0
2023年8月 47.1 47.6
2023年7月 46.8 46.4
2023年6月 47.1 46.0
2023年5月 47.1 46.9
2023年4月 46.7 47.1
2023年3月 47.6 46.3
「8月1日23時・・・指数値は46.8と6月の48.5から低下し、前年11月以降8ヶ月ぶりの低水準」