中堅企業ながらエヌヴィディア第3位の大量購入顧客となっているスーパー・マイクロ・コンピューター社が期日までに決算書類を提出できず、上場廃止を射程に入れた監視期間に入っていることなど、立件する気になれば証拠固めはそれほどむずかしくないでしょう。

これは一見するとイスラエル軍への支援停止以上にむずかしい話のように感じます。とにかくハイテク大手各社は揃って圧倒的に民主党に傾斜した献金をしてきたからです。その実態は、2022年の中間選挙時点での民主党・共和党への献金額比較で一目瞭然です。

ところが、実際にはそれほど困難な選択でもないのです。2022年には献金額が話題になるほど大きくなかったか、それとも企業としての存在が軽視されていたエヌヴィディアという人身御供に最適の新興企業があるからです。

エヌヴィディアだけは粉飾決算の首謀者なので重い刑罰に値するけれども、その他各社は共同従犯に過ぎないから軽い刑で済ますと話をつけておいて、証人喚問などで吊し上げるところをショーアップして、民主党=弱者・貧者の味方という宣伝をするわけです。

また、今年の選挙戦でハイテク大手各社が手のひらを返すように一斉に共和党への献金を増やしていることも、民主党にとってこの作戦を遂行する際の抵抗感を和らげているでしょう。

さすがにここまで露骨に風向き次第で献金額を変えられてしまうと、民主党幹部としても「政権担当与党の力を舐めるなよ」と釘を刺しておこうという気にもなるでしょう。

さらに大学教授を始めとする知的専門職に従事する人たちが圧倒的に民主党支持者に偏っているので、もし民主党の選挙戦略に資するために派手にハイテク大手を叩くとなったら、協力を惜しまない法曹関係者、大手メディアの花形レポーターたちも多いでしょう。

なお、このグラフを見ていても法曹関係の専攻分野は出てきません。日本的な発想ですと「さすがに裁判官や検事は不偏不党でなければ困るから党派分けをしないのだろう」と思いがちです。