現在はその頃に比べてかなり下がっていますが、それでも44%とかなり高い数字に見えます。ですが、その中身は暗澹たるものです。

夫婦共働きは当然のこととして、そのうちひとりが2つ以上の職を掛け持ちしなければ生活が維持できないと考えている就労者が全体の6%近くもいるほど、低賃金の仕事が多い中で「良い仕事が探しやすい労働市場だ」と答えているわけです。

歴史的に見てもかなり実態の伴ったブームだったインターネット普及期の1990年代半ばには、この掛け持ち勤労者比率が6%を超えていて、ブームがバブルに転化した頃になってようやく5.5%前後まで下がったのです。

この事実を見ても、アメリカの勤労者にとって「良い仕事が探しやすい労働市場」の要求水準は当時からかなり低かったであろうことがわかります。

案外非現実的ではないハイテク大手「人民裁判」

純然たる経済問題で考えれば、バイデンに代えてハリスを候補に担ぎ出したところで民主党の劣勢は挽回できそうもありません。

本来であれば「イスラエル軍によるイラン核施設攻撃さえ支持する」と公言する共和党トランプ候補に対抗するには、「イスラエルが非武装・無抵抗のパレスチナ人虐殺を止めないかぎりイスラエルに対する軍事支援を凍結する」と堂々と主張すべきところです。

そうすれば、たちまちイスラエル軍は現在のガザ、ヨルダン川西岸地区、そしてレバノンでの民間人虐殺という戦争犯罪を続けられなくなるでしょうし、アメリカ国内でも若年層の支持率は画期的に上昇するでしょう。

ところが、民主党リベラル派は共和党保守派よりはるかに多額の献金をイスラエルロビーからもらっていて、それはできない相談なのです。

そこで浮かび上がってくるのが、かなり悪辣なやり口がバレてきて人気も凋落しはじめたマグニフィセント7と呼ばれるハイテク大手各社がかかわっている会計不正を摘発して、上下両院での人民裁判的な吊し上げを目的とした証人喚問をおこなうことです。