(5) 学校給食の取組みの継続と発展

児童生徒の健康や食育の視点から、武蔵野市が進めてきた質の高い給食提供の取組みを継続・発展させる。そのうえで、学校給食費の無償化については、国や都の動向を注視するとともに、その効果や市独自で行うことの必要性など様々な観点から検討する。

令和5年11月30日に策定委員会から市長へ答申された【第六期長期計画・調整計画 答申(令和5年11月)】においては「注視する」「検討する」とだけ書かれており、令和6(2024)年 1月 に策定された【第六期長期計画・調整計画 令和6(2024)年度~10(2028)年度】でも答申の文言そのままでした。ちなみにこれ以前の【第六期長期計画(令和2年度から11年度)】では給食費の無償化は盛り込まれていません。

松下氏の市長退職に関しては令和5年11月10日付で退職届が提出され、辞職日は同月30日付でした。

そのため、「給食無償化の検討について長期計画に書かれた」のが令和6年1月なのだから、公的な手続上は、この時には松下氏の市長としての判断は介在していないことになります。

ただし、松下市長が策定委員会で給食費無償化について提案していることが、策定委員会の議事要録で確認できます*1

第11回の策定員会でも委員長が反対の意思を表明した事に対して市長が再度説明するといった展開がみられました。賛成する委員もロジックに疑問を呈する委員もいました。第16回の策定委員会2でも依然として優先順位や位置づけの問題が指摘されていましたが、「注視する」という文言を盛り込むことについて言及されていました。その後第19回3での議論があり、第20回での市長から再度「合意形成を図っていきたい」*4と意見交換が促されています。それを受けて、第21回で示された答申案では、答申や計画にある文言が登場しています。

松下市長が提案する前の策定委員会では給食費無償化について議論していた形跡が無いので、この流れは松下市長が作り出したと言えます。

給食無償化の根拠は長期計画?市は「実施すべきでないとは書かれていない」と答弁