■ジャワ島のレイライン

 ジャワ人の神秘主義的性向が見られるものの一つに、「レイライン」がある。ジャワ人におけるそれは、日本で「イヤシロチ」(弥盛地)「ケカレチ」(気枯地)と呼ばれる概念に近い。イヤシロチは、山頂と山頂を結ぶ直線上にある土地が作物の生育や人間の健康にとって良い土地とされ、ケカレチはその逆の性質があると信じられている。

 ジャワ島に存在する仏教やヒンドゥー教の古い寺院やスルタン(地方君主)の王宮の立地を見ると、レイラインの概念によって土地が選ばれたと思うしかない要素がある。以下にその例を示す。

◎メルバブ山―ジョグジャカルタ王宮―パランクスモ

数字「27」には驚異的パワーが秘められている!?インドネシアと日本の“謎のつながり”で判明、土地にまつわる戦慄の法則
(画像=パランクスモは、ラトゥ・キドゥルの海底の宮殿の前の海岸を意味する。ジョグジャカルタ王宮は、中部ジャワの地方君主の宮殿である。,『TOCANA』より 引用)

◎ムラピ山―スラカルタ王宮―ラウ山

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(画像=スラカルタ王宮は、ジョグジャカルタに並ぶ古都ソロ(古称はスラカルタ)にある宮殿である。,『TOCANA』より 引用)

◎ジョグジャカルタ王宮―プランバナン寺院群―スラカルタ王宮

 上の図に併せて記しているが、プランバナン寺院群は9世紀のマタラム王国時代に建造された仏教・ヒンドゥー教寺院で、世界遺産に登録されている。

 ジョグジャカルタやスラカルタの建国はマタラム王国よりずっと後世のものであることから、両者はプランバナン寺院を起点として、まず東方にスラカルタ王宮が建造され、その後に西方にジョグジャカルタ王宮が建造されたと思われる。

 ジャワ島の王宮やもっと古い聖地は、山頂と山頂を結んだ直線上に位置している。このような事例は、他にもきりがないくらいに見つかるだろう。つまり、このような立地は「たまたま」選ばれたわけではなく、ジャワ神秘主義の深い意味が込められているのだ。