エジプトの家庭料理

ホームステイ中、どんな食事をしていたかというと、家では野菜をふんだんに使った料理が中心で、豆料理も多かったです。イスラム教徒なので、豚肉は食べません。

新鮮な食材を買ってきて、家で料理をしてその日のうちに食べてしまうので、冷蔵庫の中はいつも空っぽ状態でした。

ごくたまにお米も食べるのですが、主食は「アエーシ」という平たいパンのようなもので、それを皆、朝・昼・晩、必ず食べていました。

それでこのアエーシなんですが、なぜかお皿にはのせず、必ずテーブルに直に置くのです。

これがとにかく不思議で、アエーシは砂ぼこりが舞う路上で、はだかで売られていたりします。そしてそれを買う人も、アエーシを素手でつかんだまま歩いて持ち帰ったりするのです(エジプト人男性はあまりカバンを持たないんです)。

とにかく袋にも箱にも入れなくても平気みたいなんです(もちろんちゃんと袋に入って売られているアエーシもあります)。

庶民的なレストランを見ても、空き瓶の入れてある箱の上にアエーシが数十枚、はだかで無造作に積まれていたりするのです。

アエーシも口に入れる食べ物なのに、このように扱われるのはいったいなぜなんでしょう。ホダに聞いても「なんでかわからない」と言われたので、今もずっと原因不明のままです。

どなたかご存知の方、教えてください(笑)

エジプトで3ヶ月、ホームステイしたときの話
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<エジプトの家庭料理(ある日の昼食)。左上の茶色っぽい料理は「フール」という豆を茹でて塩とオリーブオイルで味付けしたもの、他は野菜を切って素揚げしたものとトマトサラダ>

女性のスカーフの謎

エジプトはイスラム教徒の人が大半を占めているので、ほとんどの女性はスカーフをかぶっています。さてこのスカーフなんですが、家の中では外している人が多いようです。

女性は外に出る時は必ずスカーフをかぶります。それは他の男性に髪の毛を見られないようにするためだそうです。家の中では家族しかいないので、かぶる必要がないということですね。

ところが、例外があります。例えば家にお客さんが来た時です。すぐに頭にスカーフを巻いてから玄関先に出ていくのです。

たとえば郵便屋さんが来た時も、ちゃんとスカーフを被ってから、小包などを受け取りに行きます。これは100%と言っていいほど徹底していました。

とにかくノックの音がした瞬間、ほんの数秒でスカーフを頭に巻くのです。ノックの音だけでは来た人が男性なのか女性なのかわかりませんから、一応スカーフを被るわけです。

スカーフを巻いたり外したり・・・やっている本人にとっては、単なるいつもの習慣でしょうけど、私にとってその一部始終は「ブラボー!!」という感じでした。とてもスピーディで、手つきが鮮やかなんです。

ホダの姪っ子に小学生の女の子がいたのですが、子供なのでまだスカーフはかぶっていませんでした。ですが、「私も早くスカーフをかぶりたいなぁ」とよく言っていたので、憧れていたみたいです。

私は心の中で「夏は頭が蒸れて暑そうだし、何度も巻くのって面倒くさいのになぁ。私はイスラム教徒じゃなくてよかった」と思ったのでした。

女の子は初潮を迎えると、スカーフを被るようになるのだそうです。