はじめに
今からさかのぼること25年前のことです。突然、「エジプトでホームステイがしてみたい!」と思い、私は単身で2か月の予定でエジプトに飛びました。その前に私の生い立ちを少しお話させてください。
小学生の頃の私は親戚の家や近所の人の家に泊まるのが大好きで、その家その家の雰囲気を見るのが興味深く、その家の家庭料理を味わうのも楽しみの一つでした。
そういう体験をするのが楽しすぎたのか、あまりにも家に帰って来ないので、最終的には自分の親に首根っこを掴まれて家に連れ戻される有様でした。
小学生というと充分ホームシックになったりするような年頃ですが、「ホームシック」という単語は私の中にはまったく見当たらないようです。
そして、大人になって色々な国に観光旅行をするうちに、旅行では見えてこない部分があることに気付きました。
「この国の人達はどうやって水道代を払っているんだろう?」
「女の人はスカーフをかぶっているけど、寝る時はどんな格好なんだろう?」
他にも疑問点が沢山浮かんできます。「百聞は一見に如かず」もう行くしかない!
・・・でもどうやって?
ホームステイのきっかけ
エジプトには一度だけツアーに参加をして行った経験がありました。
その時に立ち寄ったお土産屋さんの店員さんと一緒に写真を撮ってもらい、帰国後それを彼女に送ってあげたことがきっかけで、いつの間にか彼女とはペンフレンドになっていました。
彼女の名前はホダ。手紙にはいつも「またエジプトに来て下さい。その時はぜひ私の家に泊まってね」と書いてありました。
前置きが長くなりましたが、そんなこんなで本当に行ってしまったのです、エジプトに3ヶ月!持って行った物はスーツケース1つと、あとは「なんとかなる」という気持ちだけでした。信頼できる友達ホダがいたので 不安はそんなにはなかったです。
ホダの家はエジプトのギザにありました。ギザ地区のナズラットサンマーンというピラミッドのすぐ近くの町です。
さぁこれからどんな生活が始まるんだろう。それは、「旅行」ではなく「暮らし」。とにかく楽しみでした。