家の中の様子
さて、どんな家で暮らしていたかというと、レンガ造りの2階建ての一軒家でした。
ホダとホダのお父さん、お母さん、お兄さん、弟が1階に住んでいて、2階にホダのお姉さんとその旦那さん、子供3人が暮らしていました。3階は屋上で、いわゆる二世帯住宅です。
リビングとトイレは1階と2階の両方にありましたが、台所は1つだけでした。
ホダのお父さんは足が悪いので、滅多に2階には上がりませんでしたが、子供達、孫たちはみんな2階と1階を行ったり来たりしていました。
日本の家と大きく違うところは、白黒のテレビがたった1つだけ・・・という点でしょうか。
そのテレビは2階のリビングに置いてあったのですが、お父さんが1階でテレビを見るときは、誰かがコンセントを外してテレビを抱えて下に持っていくのです。
そうやって一日に何度もテレビが上に行ったり下に行ったりするので、そのテレビは全然ホコリがかぶっていませんでした。
私はいつも「日本のうちの家のテレビ、いい加減に掃除しないとなぁ」と思って見ていました。
命をいただく
家の3階は屋上になっていて、そこからはピラミッドが見えていました。
屋上ではヤギとニワトリを飼っていて、いつもそこでエサをあげるのは私の役目でした。エサをあげると夢中で食べるその姿がとてもおもしろくて、時々お母さんに「もうそんなにあげなくていいわよ。」と止められたりしました。
ニワトリの卵が産まれると台所に持っていき、食卓には玉子料理が並びました。
そして、おいしいチキンのグリルがメイン料理として出ることもありました。
私は「もしかして・・」と思い、あとで屋上に行ってみると、ニワトリが一羽いなくなっていたのです。いつも喜んで私の手からエサを食べていた子・・・です。
わかってはいたけれど、なんともいえないブルーな気持ちになりました。でもその味はとても香ばしく、それはそれはとても美味しかったのを覚えています。
<エサをあげるのが楽しくて、いつもたらふく与えていました>