2階の窓から見たもの

エジプトで私の好きだった食べ物の一つに、ターメイヤというものがあります。ソラマメをつぶして丸めて揚げたのコロッケのようなものです。

このターメイヤを、時々近所のおばさんたちが数人集まって家の前の路上で作って売っているのです。作りたてのアツアツはとても美味しいのですが、無許可で路上で販売行為を行うのは禁止されています。もちろん罰金を取られます。
それで時々ポリスが見回りに来るのですが、このおばさん達は、ポリスが来るやいなや、ほんの十数秒で姿を消すのです。その素早さといったら・・・(笑)

油が煮えている鍋も、火もあるのに・・・です!私は時々、家の2階の窓からその一部始終を眺めていましたが、まるでコントを見ているようでした(笑)

そしてポリスが去っていくと、またすぐに戻ってきて店開きをするのでした。

大阪のおばちゃんもたくましいですが、エジプトのおばちゃんも全然負けていないですよ。

エジプトで3ヶ月、ホームステイしたときの話
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<ターメイヤを作って販売するおばさん達。私もよく買っていました。作りたてのターメイヤのサンドイッチは最高!>

ラクダの行進

毎朝、そして夕暮れになると、家の外で「シャンシャンシャンシャン」と遠くから鈴の音が聞こえてきます。その音がだんだんと大きくなってくると、それを合図に私はいつも急いで家の外に出るのでした。

鈴の音はラクダに付けられた鈴なんです。いつも大体、十頭はいたでしょうか。ラクダが列をなして家の前をゆっくりと通っていくのです。

それは、私にとってはお祭りのような感じに見えて、それを見るのが楽しみの一つになっていました。

朝はいつも、ラクダ使いのおじさんが私に「やぁ元気かい?」と声を掛けてくれるんです。「これから仕事してくるよ~」ってな感じです。

おじさんも、こんな普通の民家から日本人が出てくるので、珍しかったんだろうと思います。

このラクダのパレードって何度見ても飽きないんですよ。それに、日本では絶対見れない光景ですもの!

夕暮れになると、仕事を終えたラクダたちが一斉にゾロゾロと帰っていくのですが、たまに一頭だけ群れから外れて、ずいぶん遅れて単独で走ってくるラクダがいるんです。

てっきり私は「迷子のラクダだわ。誰か迎えにきてあげないと」と思って見ていたのですが、ホダの話によると、そのラクダは自分の家をちゃんとわかっているから、全然心配いらないんだそうです。

なんとも微笑ましいですよね。

エジプトで3ヶ月、ホームステイしたときの話
(画像=『たびこふれ』より 引用)

<家の前でのラクダの出勤風景。勤務先はもちろんピラミッド!>