いち早く僕が投資家にプレゼンしたのは、「香りのデジタル配信プレイヤーに最速でならなきゃいけない」ということでした。当社の仮想敵が「香りのデジタル配信、儲かるんじゃないか、やろうか」ってなったときに「自社でやるよりもHorizonのプラットフォームを買った方がいいな」と思ってもらえるようなスピード感で事業をしなきゃいけないですよね。
匂いに限らず事業展開においてトークンは必要不可欠
2000年代に入り、AIと機械学習技術が急速に発展し、複雑な嗅覚情報の処理や分析に応用されるようになったうえに、人間の嗅覚を模倣したセンサー技術 「電子鼻(e-Nose)」の開発も進んだ。これにより、匂い成分の客観的な測定が可能になったことから、嗅覚情報のデジタル化を主とする“匂いビジネス”が徐々に形成され始めた。
Research Nesterの予測では、デジタル香水技術の世界市場は2022年~2030年にかけて、年平均10%程度で成長するという。
嗅覚情報のデジタル化といった匂いに関するビジネスを展開する企業は、いまや多数存在するが、上述の通りNFTやトークンといったWeb3技術と合わせて展開する点がHorizonのユニークな特徴だ。
――匂いビジネスにトークンを組み合わせた企業は珍しいと思いますが、やりたいこととしてはどちらが先だったんでしょう。
Alex:順番でいうと同時な気がします。僕がトークンをどう位置づけているかというと、結局は「ユーザーを獲得するためのツール」。トークンでユーザーを獲得して、継続的に自社サービスを使ってもらい、ロイヤル化するためのツールだと思ってるんですね。何であれ事業をするってなったら、そういうマーケティングツールは絶対必要じゃないですか。
仕組みは楽天ポイントと同じなんですよ。楽天市場でお客さんにもっと買い物してもらうために楽天ポイントがありますよね。新規会員を獲得するために、たとえば「新規登録で○○ポイント付与」「楽天モバイル契約で○○ポイント付与」のように使われる。NFTトークンも同じように、“ポイント”として使われるべきだという考えがもともとあったので、今回この事業を伸ばしていこうと考えたときに本来あるべき使い方をしようと思って実行しました。