6. バレンシア号: 沈没船の救命ボートが30年後に無傷で発見?
1906年、バレンシア号は、カナダのブリティッシュコロンビア州沖で激しい嵐に遭遇し、108人の乗客を乗せたまま沈没した。救助艇が急行し、バレンシア号自身も救命ボートを降ろしたが、残念ながら、108人の乗客のうち、生き残ったのはわずか37人だった。
その後4年間、バレンシア号の沈没は通常の海難事故として扱われていた。しかし、1910年になると、この海域で「幻の船」を見たという人々が現れ始めた。
シアトル・タイムズ紙は、これらの目撃情報を最初に報じた新聞である。同紙の記者は、ブリティッシュコロンビア州の陸地に住む人々や、沖合で漁をしている漁師たちが、骸骨を乗せた救命ボートを目撃したと報告している。
当然、地元の人々は、4年前に起こったバレンシア号の悲劇を思い出した。彼らは幽霊のような救命ボートが、何らかの形でバレンシア号と関係があると考えたのだ。
さらに奇妙なことに、1933年、バレンシア号が嵐で沈没してから約30年後、救命ボートがブリティッシュコロンビア州のバークレー湾で、ほぼ無傷の状態で発見された。30年近くも風雨や海水にさらされていたにもかかわらず、救命ボートは損傷していなかったのだ。
バレンシア号の残骸は後に、高さ100フィート(3.5メートル)の崖の近くで発見された。しかし、救命ボートがなぜ無傷で発見されたのか、そしてなぜ過酷な海洋環境の中で長年持ちこたえることができたのかは、誰も説明することができなかった。