10. キャロル・ディアリング号:座礁した船、消えた乗組員と手つかずの食事
1921年1月29日、スクーナー船キャロル・ディアリング号は、カリブ海のバルバドスへの長い航海を終え、バージニア州への帰路についていた。
ノースカロライナ州の沿岸にある灯台船を通過する際、灯台船の監視員は、キャロル・ディアリング号の乗組員が甲板をうろうろしていることに気づいた。灯台船の監視員が呼びかけると、乗組員の一人が「錨を失った」と叫び返してきた。
数日後、レイク・エロン号という別の船が、ノースカロライナ州の海岸沖でキャロル・ディアリング号を発見した。レイク・エロン号の船長は航海日誌に、キャロル・ディアリング号の乗組員の行動が奇妙で、船が「奇妙な航路」を航行していたと記している。
その2日後、アメリカ沿岸警備隊がキャロル・ディアリング号を発見した。船はノースカロライナ州アウターバンクスのアウターショールズに座礁していた。天候が悪く、沿岸警備隊は近づくことができなかった。
数日後、天候が回復し、沿岸警備隊は調査のために現場に戻った。そこで彼らは、衝撃的な光景を目にすることになる。
キャロル・ディアリング号の救命ボートはなくなっていた。そして、乗組員全員の私物や書類も消えており、まるで誰も乗船していなかったかのようだった。しかし、さらに奇妙なことに、乗組員全員分の食事が用意され、調理され、完璧に並べられていたのだ。食事は全く手つかずのままだった。沿岸警備隊は、なぜ食事が用意されたまま乗組員がいなくなってしまったのか、全く理解できなかった。
キャロル・ディアリング号の事件については様々な説が唱えられている。ロシアのスパイが船員たちを誘拐したという説、乗組員が反乱を起こし、全員が海に投げ込まれたという説、そしてバミューダトライアングルが原因だという説まである。真実は、一体どこにあるのだろうか。
海賊の呪い、不可解な失踪…もしかしたら、彼らは今もこの世界のどこかで、幽霊船に乗って航海を続けているのかもしれない。
提供元・TOCANA
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