また、IMFの場合は2017年の固定した購買力平価でドル換算された数値であることがわかります。 実質化は2015年ですが、ドル換算は2017年の換算レートという事になります。

OECDでは、Chain linked volume=連鎖方式による実質値という表記となっています。Volume=量という意味なので、数量的な実質値を表すわけですね。

2024年のデータベースサイトの刷新前(OECS.Stat)では、Constant prices, constant PPPs, OECD based yearのような表記となっていました。

Constant pricesで実質値である事を、constant PPPs, OECD based yearでOECDの基準年(例えば2015年)での固定の購買力平価による換算である事を明記されていました。

OECDとIMFの数値にやや乖離があるのは、この購買力平価の基準年の違いによるものと推定されます。

実際にIMFのデータをOECDの2015年の購買力平価で補正してみると、ほぼOECDのデータに一致する事が確認できます。

OECDの実質の為替レート換算値も同様に、時間的な実質値に対して、基準年(ここでは2015年)の固定した為替レートでドル換算している事になります。

つまり、OECDの実質 購買力平価換算値と、実質 為替レート換算値は相似形で、基準年における購買力平価と為替レートの比率分だけ異なる推移となっている事になります。

実質の購買力平価換算値は、時間的な実質値でもあり、アメリカを基準とした空間的な実質値でもある事になります。

個人的には数値の比較をするのであれば、名目のドル換算値の方がシンプルでわかりやすいように思います。

5. IMFのデータの特徴

今回は、IMFのデータベースから、日本のGDPや1人あたりGDP(ドル換算値)について検証してみました。

自国通貨ベースの数値はOECDのデータと完全に一致している事が確認できました。