Current pricesが名目値である事を表しています。
4. 日本の1人あたりGDP 実質値続いて、日本の1人あたりGDPについての実質値です。
図3が日本の1人あたりGDP実質値のドル換算値です。
OECDによる購買力平価換算値が緑、IMFによる購買力平価換算値が青です。
OECDによる為替レート換算値が橙で、IMFによる為替レート換算値は見当たりませんでした。
一般に日本語で実質値というと時系列的な実質値を指します。
実質のドル換算値とする場合は、自国通貨ベースの実質GDPを、基準年における換算レートで全ての期間を換算して計算する点に注意が必要です。
日本語で表現するとややこしいのですが、自分で計算してみると良くわかりますので、是非皆さんもトライしてみていただければと思います。
以前このような計算がされている事を理解していないのか、実質のドル換算値を各年の為替レートで自国通貨建ての円換算して整合性の取れないデータを公表していた報道機関があったようです。
各機関の実質値の呼び方を見ると、実質値のドル換算値とは何かが良く理解できます。
OECDのデータ 実質・為替レート換算値 Chain linked volume, exchange rate converted 実質・購買力平価換算値 Chain linked volume, PPP converted
IMFのデータ 実質・購買力平価換算値 Constant prices, derived by dividing constant price purchasing-power parity (2017 international dollar)
IMFではConstant pricesと表記されている部分が実質値であることを示しています。
Constant pricesとは、基準年の物価で置き換える事で固定した物価で計算した数値=時系列的な実質値という意味になりそうです。