コンテンツの選定について綿密に検討

 イベント・企画の選定や商品の品ぞろえ、フロア構成など、店舗の総合力も高いと坂口氏は評価する。

「ポケモンファンの話によると、SHIBUYA TSUTAYA付近には人気トレーディングカードショップの『バトロコ satellite 渋谷駅前』(MAGNET by SHIBUYA109内)や『ポケモンセンターシブヤ』(渋谷PARCO内)などがあり、そこでカードを購入してその足でTSUTAYAの『POKEMON CARD LOUNGE』に行って遊べるというのは素晴らしいとファンの間では評価されているとのことです。また、あるアニメファンの話によると、SHIBUYA TSUTAYAの漫画や書籍、イベント、グッズのチョイスは本当に秀逸だといいます。そのあたりの店舗全体でのコンテンツの選定については、かなり綿密に検討している様子がうかがえます。

 今の若者はコンテンツに序列をつけず、無秩序のままに楽しむ傾向があります。『名著とされているから、版を重ねているからこの本は価値が高い』『アニメだから価値が低い』といった考え方を持たず、推しのアニメを見た後に堅い内容の本を読むという行動を普通に取ります。彼らにとっては、文庫・新書・単行本といった種類別、出版社別に本が並ぶ従来型の書店というのはナンセンスであり、フィギュアの横に漫画が並ぶなど、さまざまなモノが混在して価値並列的に売られているSHIBUYA TSUTAYAの空間づくりは魅力的といえるでしょう」