「裏金議員」としては、議員個人への帰属を前提に、各年において実際に政治活動の費用として使った金額を具体的に算定し、残余金の納税を行うというのが、本来の今回の裏金問題の処理だったはずだ。そのような処理が可能であるかどうか、その意思があるかどうかも、「裏金議員」の対応の評価要素と考えるべきだ。

「裏金議員」のこれまでの説明に欠けていたこと 

裏金議員に対する自民党の従来の対応がなぜ国民から厳しい批判を受けているのか、それは、自民党の多くの議員が、政治資金として収支報告書で公開もしない「裏金」を得ていたことが発覚したのに、刑事処罰を受けないどころか、納税すらしないで済まされていることに対する納税者としての強い不公平感と憤りである。

国民の多くは、裏金議員の中には、その金を個人の懐に入れていた議員が相当数いるのではないかと今も疑っている。裏金議員の説明は、その国民の疑問に答えるものでなければならない。

上記の指摘を踏まえ、「裏金問題」について十分な説明が行われること、それを自民党執行部が適切に評価することが、石破新総裁の下で総選挙に臨む自民党が、本当に変われるかどうかの試金石である。