「批判は覚悟の上」と前置きしていたものの、アマチュア、しかも学生相手へのあまりにも大人げない発言は、下剋上が起きた試合以上にクローズアップされた。

さらにその翌週の6月15日に行われたJ1第18節、横浜F・マリノス戦(日産スタジアム/3-1)で逆転勝利した後のインタビューでは、出場した選手をねぎらうと同時に、筑波大学戦後の発言について問われると、「我々が正義。ダメなものはダメと訴えていく」と発言。自らが焚きつけた火に油を注いだのだ。

ここから黒田監督、および町田はJリーグ史上、類を見ない“悪役”イメージが定着してしまう。

その後は、ロングスロー時のタオル使用や、PK時のFW藤尾翔太のボールへの水掛け行為。8月17日の第27節ホーム磐田戦(4-0)において、藤尾に水掛け行為を見た高崎航地主審がボールを交換し、それに対し、町田イレブンが主審を囲んで猛抗議を行った。

また、首位攻防戦となった9月28日の第32節アウェイ広島戦(0-2)では、広島の控え選手にボール拭き用のタオルに水を掛けて濡らされた行為について“逆ギレ”。町田の原靖フットボールダイレクターがJリーグと広島側に「要望書」と称した抗議文を突きつける事態になった。

伊東純也 写真:Getty Images

加藤弁護士の顧問就任に至るまで

ここまでくると、もはや子どものケンカだ。些末なことにもいちいち文句をつけ、それがニュースとなり炎上するという負のサイクルは止められず、町田のイメージは最悪となる。筆者はJリーグを創設当初からウォッチしてきているが、Jの歴史上、ここまで全方位から嫌われたクラブは記憶にない。

時代の流れからか、その批判は主にSNS上やポータルサイトのコメント欄に集まり、ついにはX上で「知り合いの勤める会社が町田のスポンサーから降りた」というポストが拡散された。