民間部門の総賃金(雇用者数×週平均労働時間×時給)は前月比0.2%増、前月の0.9%増を下回りつつ、2カ月連続で増加した。前年同月比は4.8%増と8月の5.1%増(修正値)を下回り、7月に続き2021年3月以来の5%割れを迎えた。
チャート:民間部門の総賃金、2021年3月以来の5%割れ
(出所:Street Insights)
〇失業率、労働参加率、就業率、不完全就業率、長期失業者
失業率は4.1%と市場予想の4.2%を下回った。2021年10月以来の高水準だった7月の4.3%から、2カ月連続で改善。労働参加率は前月の62.7%で3カ月連続で変わらず。失業者数が前月比28.1万人減だったほか、就業者数の43.0万人増と増加したため、失業率を押し下げた。
自発的離職者数は81.8万人と2カ月連続で減少し、2019年平均に概ね並んだ。自発的離職者数に占める失業者の割合は再参入者や新規参入者で減少した影響もあり、12.1%と6カ月ぶりの水準に上昇した。
チャート:自発的離職者数は2カ月連続で減少
(出所:Street Insights)
失職者数(一時的な解雇ではなく再編やM&Aなど会社都合での解雇者、派遣など契約が終了した労働者)は、前月比11.6万人減の230万人と3カ月ぶりに減少し、2021年11月以来の高水準だった前月から改善した。失職者数の割合は他の増加幅が大きかったため前月の35%→34.6%へ低下しつつ、失業者のシェアで1位を維持した。失職者のうち、完全解雇者が労働人口に占める割合は1.0%と、引き続き2021年11月以来の高水準をつけた5月の1.05%手前を維持。その他、レイオフ(一時解雇)は89.4万人と前月から増加し年初来で2番目の高水準となった。結果、失業者のうち2021年8月以来の高水準だった前月の12.4%→13.2%へ上昇した。一方で、再参入者と新規参入者は、それぞれ前月の30.4%→30.3%、前月の10.2%→9.8%へ低下した。