長らく唯心史観、唯物史観、人口史観がいわば「史観」の標準であり、社会変動論でも主流であったが、20世紀の後半に「情報史観」ともいうべき社会変動論が生まれた。
これは情報のもつ巨大な力と速度が社会システムを変化させるとする社会変動論であり、サービス経済、専門職の優位、科学技術への信頼などを含んでいて、トフラーの『第三の波』などが代表作である。そして、情報のもつ創造力を基盤とするイノベーション志向が強い。
環境史観一方、環境史観とはいわゆる20世紀後半からの環境公害の克服に有益であった理学工学農学などを基盤として、「環境」への配慮や「被害予防の原則」から、現今の社会システムをつくり直すことを主張する考え方である(金子、2013:49-55)。
これには21世紀に世界的に広まった「再エネ」としての太陽光発電や陸上風力発電や洋上風力発電が象徴的であるが、それぞれに耐久性が20年ほどしかないので、その後の解体、廃棄、処分などの視線までが十分とはいえない。いわば見切り発車的に国家主導による「再エネ」導入の際に後押しされた「史観」(GX)でもある。
未定義の「共同意志決定」これらを合わせて取り込んだ社会学の観点からすると、結論として「財政は・・・・・・社会の構成員の共同意志決定によって運営されている」(:24)という「財政史観」を構築するためには、いくつもの媒介変数を経由している事実を明らかにすることが先決であると思われる。
概算要求の大枠恒例になっている年末にかけての国家予算の「概算要求」では、各省庁が前年度の実績を基にして、新しいトピックスを盛り込んで概算要求の大枠を作る。
その多くは国際関係、少子化や高齢化などの人口動態、福祉介護問題、エネルギー資源問題、時の政権が熱心な「少子化対策」や「防衛」、それに「デジタル化」や「再エネ」などから優先的に選ばれる。
たまには政権与党内での力関係により、新幹線やリニア新幹線の新設や延長が決定したり、先行的に実験したい事業を都道府県のある地域を「特区」に指定することなども概算要求に盛り込まれることも少なくない。