HechicerIAは、日本の大手ゲーム企業のバンダイと提携し、日本市場にサービスを提供していくことが大きなビジネスチャンスにつながると捉えているそうだ。

「以前はビデオゲームを制作するのに数か月から数年は必要でしたが、今ではAIツールを使うことでビデオゲームのストーリーやコンテンツの制作にかかるコストが削減され、企業の生産性は大幅に向上しています。

これは多くのアーティストやクリエイターにとって重要なポイントであり、“ビデオゲーム制作の民主化”に貢献できるように日本市場でプレゼンスを高めていきたい」(Alvaro氏)

AIのさらなる進化は、シンプルで研ぎ澄まされたゲーム体験になる

TGS2024には、アジアや北・中・南米、中東、アフリカ、欧州など、世界各地からの出展も目立った。

その中でTGS初出展となったイタリアパビリオンを訪問。観光業界向けのメタバースやAIを開発するTravel Verse プロダクトマネージャーのAntonio Amendola氏は「E3(アメリカ)、gamescom(ドイツ)と並ぶ世界3大ゲームショーのひとつである日本のTGSに参加し、ビジネス機会を得るために参加した」と話した。

同氏は「ゲーム産業のみならず、世界中のいろんな産業にAIは大きな変革をもたらしている」とし、AIの可能性について次のように見解を示した。

「シリコンバレーの関係者が言うには、『AIを取り入れていないスタートアップは、投資家も集められない』ということでした。それぐらい、今の時代にはAIが求められているわけです。ゲーム産業でもここ2〜3年のうちに、AIが完璧に入り込んで、新たなゲーム体験を創出するきっかけを与えると考えています」

一方で、著作権に関しては「画像や映像、音楽を生成するAIは著作権侵害のリスクがあるが、人間の内面に訴えかけるAIはその問題には当てはまらない」と続ける。