暴落の翌日には3/4程も戻す暴騰があったのだが、こういう事態も珍しい。リーマン・ショックのとき、世界の金融界は動揺したが、それが収まるまで株価は上昇しなかった。当時の日本の財務大臣は「全治3年」と言ったのだ。
しかし、ここに今日の暴落を理解するヒントがある。8月暴落の原因は株式市場の外からやって来る外生要因ではないのである。株式市場の構造に、私の言葉で言えば金融化にある。そして、その底流にあるのは遊休貨幣の巨大な蓄積。しかも近い将来に使用されない、遊休貨幣の蓄積があった。
その第一次現象は日銀当座預金預け金であり、金融化が株式市場に及んで第二次現象となったものがMRF残高であるというのが本論の推論である。
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『The NEXT』