じつは多くのベンチャーキャピタルや未上場株ファンドが「発掘」した有望企業が上場直後の突飛高以後延々と値下がり続きで結局破綻というケースがあまりにも多いため、下段でご覧いただけるとおりベンチャーキャピタル出資額自体が激減しているのです。

2021年の総額3480億ドルに比べると、2023年の実績見込みはわずか1706億ドル、51%も減少していました。したがって、2021年の総額に対する25.1%が873億ドルだったのに比べて、2023年の総額に対する38.8%は662億ドルと、24%も減少していたのです。

なぜこんな汚い手まで使ってAI関連投資を煽るかと言えば、理由は分かりきっています。

大手ハイテク各社も大手投資顧問会社も、生成AI実用化の歩みがあまりにもスローペースなことに見切りをつけて、できれば利益が出ているうち、最悪でも少額の損切りで済むうちに、生成AI関連銘柄を売り抜けたいからです。

次から次に「最新の高性能モデル」が登場する生成AIの実績評価をご覧ください。

我々が日常使っている自然言語で出した指示の意味を正確に読み取る「文脈解釈の正確性」で99%台がずらっと並び、ついにチャットGPT-4 の改良版であるチャットGPT-4oは100%を達成したというのは、壮観を通りこしてややうさん臭いほどの好成績です。

設問自体が、生成AIにとって解釈しやすいものばかり並べているのではないかという疑惑はぬぐえません。もっと深刻なのは、的確に解釈された指示に対して正解を出せるかを競う「機能の正確性」部門です。

つい最近リリースされたばかりのメタ製「リャマ3.1 405B インストラクト」というモデルだけが50.5%と辛うじてコイントスを上回る確率で正解を出せるけれども、後は軒並み50%未満の正解率にとどまっているのです。

象徴的なのが、チャットGPT-4 の改良版であるはずのチャットGPT-4oは文脈解釈で100%を達成した代償として、機能の正確性で原型より2.5パーセンテージポイントも下がっているという事実です。