■50年前が初版の規格、収録されていたのは…

日本規格協会は、1945年12月に標準化および管理技術の開発・普及・啓発などを目的に設立された団体。

同団体を中核とする日本規格協会グループ(JSAグループ)は、日本の総合的標準化機関として、日本産業規格(JIS)、国際規格(ISO・IEC規格)、JSA規格の開発、JIS規格票の発行と販売、国際規格・海外規格の頒布、多彩なセミナーの提供、ISO 9001やISO 14001をはじめとする各種マネジメントシステムの審査登録、各種サービスに関する認証、マネジメントシステム審査員などの資格登録、品質管理検定(QC検定)といった多様な事業に取り組んでいる。

いわば国内における「規格のスペシャリスト」なのだ。

そんなJSAの担当者は、今回の調査結果を見て「お探しの図記号は『IEC 60417 DB 機器・装置用図記』に含まれる『○と|』と思われます」と回答。

この『IEC 60417:2024 DB』とは、電気・電子機器・装置等に表示するための図記号を収録した規格で、1973年(昭和48年)に第1版が発行され、2002年からは「データベース規格」として新しい図記号が逐一追加され、継続的にメンテナンスが行われているのだ。

なお、同規格はIECの公用語である英語およびフランス語で記載されているが、参考として対応する日本語訳を含んでいる。

2024年現在では約1,450件もの図記号が登録され、利用されているのだ。その『IEC 60417 DB』は、「IEC/SC 3C(機器・装置用図記号)」という委員会によって開発され、幹事国は日本、議長は中国が担当しているという。

7割超がスイッチの電源ON、真逆に覚えていたと判明 実は◯の意味は「マル」ではなく…
(画像=『Sirabee』より引用)

そして73年発行の第1版に収録された170余りの図記号を見ると…その中には「電源ON」を意味する「|」と、「電源OFF」を意味する「○」の記号が確認できたのだった。

そして「|」に関しては、「向きに依存する」との説明が確認できる。これは当然ながら、図記号の向きを変えると「別の意味を表す図記号になってしまう」ということ。

今回の場合、図記号「|」を横にして「-」と表示すると、「電源ON」ではない意味を表す別の図記号になるため、ONを表すには「|のまま使うように」という内容を示唆している。

では我々も日常で目にするスイッチの「-」の記号は、国際的な規格ではどのような意味を有しているのだろうか…?