当社は都市林の恩恵とその価値を定量化し、木への投資価値を定量化し、情報を提供できます。都市林構築にたとえば年間10万ドルを注ぎ込んだ場合の費用対効果を数字で提示できるんです。「摂氏でこれだけの冷却効果が得られる」、「街路の大気質がこれだけ改善される」などですね。

グリーンインフラと同じだけの効果をグレーインフラで得ようとすると莫大なコストがかかること、グリーンインフラが結局は最も安上がりな手段であること。こうした情報を自治体の首長や政治家は知りませんから、具体的な数字を提示するのです。

樹木ケアを専門とする韓国企業のSAVETREEと7月に提携を発表。Image Credits:greehill(同社LinkedInより)

都市全体から区や通り、公園、新規開発エリアに至るまで、当社はサマリを提供できます。街路樹・公園樹に対して都や市がこれまで投資してきた額はどれだけなのか。今その木々を伐採したら、どれだけの損失になるのか。その木々はどんな「サービス」を提供しているのか。住民は現在、木々からどの程度の恩恵を受けているのか。開発業者がその木々を伐採するなら、恩恵と同等の補償がされるべきなのか。

――日本のイベントに参加して、都市や自治体から問い合わせはありましたか?
Péter:さまざまな都市から、かなりの関心を寄せられています。イノベーションとスタートアップ育成を専門とする部門が多くの自治体にあるみたいですね。こうした自治体での事業立ち上げと協働について喜んでお話ししたいです。

ただ、これは私の印象で間違いかもしれませんが…生態系サービスや開発、景観・計画、グリーンインフラ管理の担当部門はコンサバティブで、イノベーションをあまり受け入れていないようです。まずはこの障壁を乗り越える必要があります。都市林の重要性を理解してもらわないと。将来的にはさらに重要になるのに、今すでに手遅れであることも。