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さらにその次のレベルでは、取得した情報を景観および都市設計の計画にどう活用するかを考えます。それぞれの木が持つ大気汚染フィルタリング効果、冷却効果、CO2隔離パフォーマンスの情報を、当社が地図上で視覚化します。これにより、木々の恩恵があるエリアと不足しているエリアが分かり、木と木による「サービス」を必要としているロケーションを特定できます。

特定の都市で育つ現地の木々の葉面積指数を調べて、指数の最低値で枯死が最も多い「外れ値」を確認し、健康状態の悪い木をハイライトします。都市計画プランナーは同じ種の木の群れ(コホート)全体を俯瞰できるので、その都市で繁栄する種とそうでない種が分かるのがメリットです。

樹冠率や葉面積を最大限の速さで拡大するためには、必要なロケーションで最も効率的に成長する樹種を知る必要があります。どんな木をどこに植えるかの意思決定を当社が支援できるのです。

「木を植える最善の時期は30年前、次善の時期は今」

――木が成長するには何十年もかかるのに、今から取り組んで間に合うのでしょうか…。
Péter:「木を植える最善の時期は30年前だった」という表現をご存じでしょうか。30年前に植えていたら今ごろ立派な木に成長していたはずですからね。ですが、「次善の時期は今」です。大きくてパフォーマンスの高い木の樹齢が少なくとも10年、15~20年であることを考えると、今から植えても10年後でないと大幅な改善は得られません。ですから常に「手遅れ」ではあります。

ですが、今年から始めれば5年後10年後にははるかに状況が改善するでしょう。始めるのが遅くなればなるほど時間が無駄になる。そして私の経験上、気候変動は人間の予測以上に深刻です。もし私が日本の市長や区長だったら、迷うことなくただちに取り掛かるでしょうね。

――「コストがかかるし目先の利益を生まない」街路樹を増やすためには、資本主義的な価値観から脱する必要性もみえてきます。
Péter:それはおっしゃる通りですね。そして付け加えると、これこそまさに当社が提供する「レベル3」なんですよ。(自治体が)社会福祉や教育のために財源を必要とするのは分かります。しかしその一方で、これは「可視性」が欠如しているという問題でもある。