私たちの住んでいるこの大地は動かないように思えますが、実は年々少しずつ動いています。地殻の一部は大陸をつくるプレートという板状のものに分かれ、マントルの対流などによって動いているのです。これをプレート運動といい、プレート運動によって大陸の移動を説明する理論をプレートテクトニクスと呼びます。
地殻とプレートとは正確には別物です。地殻・マントル・核の3層は化学組成の違いによる区別です。一方、プレートは力学的な性質の違いによってその下の層と区別されます。
プレートの実体は、リソスフェアと呼ばれる硬い岩石の層で、その下にあるのがアセノスフェアと呼ばれる流動的なやわらかい層です。
プレートは中央海嶺で生まれ、ベルトコンベアのようにマントルの対流に沿って動いて海溝に沈み込みます。プレート同士がぶつかったり、すれ違ったりするプレート境界では火山や地震の活動が活発で、こうした地質活動はプレートテクトニクスによって説明できます。
例えば、日本列島には地震や火山が多いですが、これはプレートテクトニクスによれば当然のことです。ユーラシアプレート、北アメリカプレート太平洋プレート、フィリピン海プレートという4つのプレートが日本列島の下でひしめき合っているからです。
ところで、地球以外の地球型惑星(岩石惑星)でもプレートテクトニクスは機能しているのでしょうか?
現在の科学的知見によると、地球以外の地球型惑星(水星、金星、火星)では、地球のようなプレートテクトニクスは機能していないと考えられています。
火星や月などの小さな天体は、すでに内部が冷えてしまっており、活発なマントル対流が起こっていないと見られています。
とはいえ火星には、太陽系最大の火山といわれるオリンポス山などの巨大火山が点在します。こうした火星の存在は、火星の地質活動が、過去には比較的活発で、地下深部からのマントルの上昇流である「プルーム」が起きてたことを示しています。