このように、地球は生命が繁栄するために必要な多くの条件を満たしています。遠い昔には金星や火星も地球に似た環境だった可能性が指摘されていますが、現在ではこれらの惑星は生命が住みやすい環境とは言えません。

地球だけが生命にとって理想的な環境を絶妙なバランスで保ち続けてきたのです。

もちろん地球とまるで異なる環境の方が快適という生命も存在するかもしれません。しかし現在のところ、この宇宙において地球以外に生命の存在は確認されていません。

動いている大地

地球は、私たちが住んでいる惑星ですが、普段の生活では地球の内部がどうなっているかあまり意識することはないでしょう。

人類は太陽系の果てまで探査機を飛ばしましたが、実は地球の内部には到達できていません。地面を最も深く掘り進めた世界記録は約12kmです。これは地球の半径の約0.2%にすぎません。堀り進むにつれて圧力や温度が高くなり、12kmの深さでは数百℃、1200気圧以上という高温高圧になります。

ではなぜ地球の内部について、人類は色々詳しいことを知っているのでしょうか?

実はこうした研究には地震が利用されています。地球の内部の状態は、地震の波の伝わり方や重力の計測によって調べることができるのです。

地震波の速度は地球内部の密度や圧力によって異なるので、この速度の違いを用いて、地下内部の構造を推測することができます。

そのようにして調べた結果、地球は外側から軽い岩石成分の地殻、やや重い岩石成分でできた流動するマントル、高温で溶けている鉄などの金属質のという層構造になっていることが分かりました。マントルはあくまで固体です。ただし長い時間でみると少しずつ動いています。

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地球の内部構造 Credit: Washiucho, Public domain, via Wikimedia Commons

この層構造はゆでたまごに似ています。表面の薄い地殻は卵の殻、その下のマントルは白身、中心の核は黄身に相当します。マントルは固体で、核の外側部分(外核)は液体になっているので、半熟のゆでたまごですね。