収益性が足りなくて事業をスケール(拡大)できない悩みを持ち始めたときと、「本当にお前は問題解決しているのか」と自問したときに「してないんじゃないか」という疑念が生まれたのが同じタイミングだったんです。

よく言われることですけど、ドリルじゃなくて穴が欲しかったという話があるじゃないですか。

あれと同じことに気づかされたというか、視界が狭くなっていたなと。もっと本質を俯瞰で見るべきだったなっていう意味では甘かったですね。

ーーーそれからmamaroを作ろうと思われたのでしょうか?

またこれが最終手段だったんですよ。その前にベビーケアルームのコンサルティングをやろうと思ったんですよね。ただ、いろいろな企業様などに話を持っていっても全然刺さらなかったんです。

「君、授乳室にいくらかけているか知ってる?」と言われて、びっくりしたんですけど、1番高いところで3,000万かけている。いまだと、もっとかけているみたいなんですけどね。

そんな費用をかけて用意しているけど、1円も生んでいない。そのスペースをテナントに貸し出せば年間1億ぐらいになるのをつぶしてやっていることを僕は知らなくて。

綺麗な授乳室を作ってあげたいと思っても、利益が上がっている企業は3,000万円投下できるけど、そうじゃない企業はできないから数が増えていかないということに、それこそ第2の雷じゃないですけど打たれて。

そのうえ、3,000万円をかけて用意した授乳室に対して、お母さん側の評価が低いこともあるんですよね。

カーテンで仕切られている空間だったりするので、内装はオシャレで綺麗なんですけど、他の方が開けちゃったりとか、購買エリアまで泣いている声が聞こえたりするとか、そういった評価がついていて。3,000万円かけても、必ずしも望んだ効果が得られていないことからもユーザーと(企業と)のギャップを感じていました。