「買う」ではなく「レスキュー」という意識
―――「レスキュー」という表現がすごくいいなと思います。単に食品を買うのではなく、誰かを「救けている」、自分が社会貢献しているんだという意識が高まりますよね。
篠田さん:実際、ユーザーの94%が食品ロスに関心があると回答していただいています。また、「TABETE」を使用する前後で、食品ロスと社会課題全般に関する関心度合いの変化をアンケート調査したことがありますが、使用後に関心度合いが上がっていることが数字で示されています。
「TABETE」ユーザーに聞いた食品ロスへの関心についてのアンケート結果
今の「TABETE」が持つ2つの課題とは?
―――今の「TABETE」の課題について教えてください。
篠田さん:2つあり、1つは登録ユーザーに対して登録店舗数が圧倒的に足りていない問題です。
登録ユーザーが100万人近くいるのに対し、登録店舗は約2,800件です。
ユーザー登録は全国どこでも可能なのですが、登録店舗が都市部に集中しているので、近くにお店がないと使えない状況が発生しています。
なので、いかに多くのお店に「TABETE」を登録していただけるかが肝です。以前は、全国に展開する大手企業を中心に営業活動をしていましたが、現在はエリアごとに一気に加盟店を増やしたり、自治体との連携も行ったりということで、そのエリアのユーザーが飽きずに使い続けられるようにシフトしています。
もう1つは、営業時間終了後の食品の取り扱いができていないという問題です。
「TABETE」ではお店の営業中に商品を取りに来ていただいているので、どうしても営業終了後の受け渡しができません。
本来は営業後に完全に廃棄になるものを出品していただくのが望ましいので、無人で受け渡しするため、ロッカーなどを活用した方法を実証実験のような形で始めています。