買い物を通して食品ロスに貢献できる「TABETE」はちょうどいいというお声をいただいてきました。

そういう方たちが口コミや自然流入で集まってくるので、実は広告宣伝費をほとんどかけていないんです。

ただ、最近は他社でも似たようなサービスが増えたため、食品ロス削減が当たり前という意識も高まっている一方、お得目的・家計への負荷の軽減のために利用する方も増えている印象があります。

入り口はそれでも良いのですが、利用を通じてユーザーの社会課題に対する認識が強くなるようなサービス設計が必要だと感じています。

「お得に買える」だけでは食品ロスは解決しない

―――ユーザー側には、お得に安く買えるというところばかりにフォーカスが当たっているのかなと思いました。

篠田さん:メディアで「お得で安く買える」という露出のされ方が多かったり、物価高で、そういったニーズがあるのも事実です。

ただ、それだけでは食品ロスの根本解決にはならないので、(株式会社)コークッキングでは、ユーザーが使えば使うほど食品ロス削減に対する意識が高まるような、ユーザー体験を意識したサービスのプロダクト開発をしています。

具体的には、「買う」「購入」という言葉ではなく、「レスキュー」という言葉を使って、「レスキュー隊」に入隊するという世界観を作っています。

ユーザー登録で「レスキュー隊」に入隊し、食品を「レスキュー」するたびに、自分の活動によって削減された食品ロスとCO2の量が見える「経験値」が溜まりランクアップするという仕組みになっています。

自分が削減した食品・CO2量が見えることで、削減しているという実感を持っていただけるゲーミフィケーション(ゲームの要素を取り込むことで、ユーザーのモチベーション向上やロイヤリティー強化につなげるための仕組み)の要素を組み込んでいるのですが、今後も、使い続けるうちに「もっと削減したい」「ほかの社会課題にも取り組みたい」と思っていただけるようなサービス設計にしていきたいと考えています。