一つ目はグリップ力が向上するから。

重量が増加すると、タイヤが路面に押し付けられる力が大きくなり、タイヤと路面の間に働く摩擦力(グリップ力)が向上する。また重い車体は路面から強い反力を受けるため、横風や凹凸などによるふらつきを抑え、安定した走行を可能にする。

二つ目は慣性力の増大だ。

重い車体は、一度動き出すと大きな運動エネルギーを持つため、外部からの力によって動きを変えるのが難しくなる。この慣性力の増大により、加速·減速時やコーナーリング時の姿勢変化が緩やかになり、安定した走行につながるというわけだ。

エンジン特性も、3台の中で、ピストンが上下する距離が最も長いロングストローク設計になっていることで、低回転から力強いトルクを生み出す。高回転のピークパワーよりも低中速域でのトルクを重視したセッティングだ。ややもっさりとした印象を受けるが、これが長時間長距離乗っても疲れない理由でもある。加えて、フロントサスに乗り心地が良い正立フォークを採用していることも疲れの軽減に寄与している。

セパレートハンドル仕様でありながらも、前傾姿勢はさほどきつくないのも、シチュエーションを選ばない走りやすさにつながっていた。

前傾過ぎない絶妙なポジションのセパレートハンドル
ブレーキディスクにはアグレッシブな印象のペタルタイプを採用
サスペンションは乗り心地がよく疲れにくい正立フォークを採用
多機能なフルLCDメーターで、車両の様々な情報を即座に把握
リヤのブレーキディスクにもペタルタイプを採用
リヤサスのバネ調整は7段。

ここがちょっと気になった!

デザインに新しさをあまり感じず、一昔前のフルカウルスポーツのような印象。とくにウインドシールドの形状がツアラーぽく、NINJA ZX-25Rのスパンルタンな顔と比べたら、おとなしいデザインだ。

カワサキ Ninja ZX-25R