宇宙にたくさんある金属といえば、鉄やニッケルが挙げられます。実際に地球の核も鉄やニッケルが主成分です。したがって、水星の内部の大部分が鉄やニッケルでできていると予想されます。
水星の成り立ち
他の岩石惑星(地球型惑星)と比べると突出して金属成分が多い水星はどのようにできたのでしょうか?
これを説明するのに、2つの原始惑星が衝突したというシナリオが提唱されています。2つの惑星はいずれも鉄・ニッケルの核と岩石のマントルを持っていてその割合は地球と同程度でした。
それぞれの金属部分は粘り強い性質があるため衝突によって合体し、一方で岩石部分は粉々に吹き飛んでしまいました。その結果金属が大部分を占める水星ができたと考えられます。
これ以外の仮説としては、水星が形成された時点では太陽活動が不安定で高温の太陽風によって水星の岩石部分が融けて蒸発したという蒸発説などがあります。
水星の磁場
水星にも磁場があります。
地球の中心にあるコアは、個体の内核と液状の外核に分かれていて、この液状の外核の流れが地球磁場を作っていると考えられています。
そしてこれは水星にも当てはまると考えられます。
水星の内部には液体の鉄でできた外核があると推測されていて、液体の鉄が対流することによって電流が生じその結果として磁場が発生すると予想されているのです。
しかし、水星はサイズが小さいため、すぐに冷えてしまいます。外核の液体の鉄が冷えて固体になると磁場は作られなくなります。