……なんてことを書くと、玄人しか乗れないようなイメージを与えてしまいそうなので補足しておこう。加えて僕が感心したのは、舗装路用の走行モードである「ストリート」でのトラクションコントロールシステムの介入度。キャバレロ スクランブラーシリーズらしく、やや空転を許容してからシステムが介入するような設定になっている。この仕様ならオフロード初心者であっても、キャバレロ スクランブラーらしいテールスライド遊びのエッセンスが気軽に感じられるというわけである。

そこから走行モードを「オフロード」にすれば、トラクションコントロールシステムがオフになり、ABSの設定がオフロード用に遅くなり、さらに必要とあればボタン一つでABSのカットも可能。ブレーキターンからのスライドコントロールなんて遊びもできてしまうのだ。

ライディングモードは舗装路用の「ストリート」、「オフロード」、自由に設定が可能な「カスタム」3種類。ABSは前後オン、リヤのみカット、前後カットが選べる。
ライディングモードは舗装路用の「ストリート」、「オフロード」、自由に設定が可能な「カスタム」3種類。ABSはオン(舗装路用)、オフロード(介入遅め)、オフ(前後カット)が選べる。

キャバレロ・スクランブラー700のディティール

クラシカルなテイストを大事にするスクランブラーらしい丸目ヘッドライトを採用。
クラシカルなテイストを大事にするスクランブラーらしい丸目ヘッドライトを採用。
倒立フォークはこの排気量帯としては太めのφ45mmを採用。マルゾッキ製でストロークは150mmを確保。ハンドル切れ角はやや少なく感じるが、シングルトラックのウッズセクションを走っても不都合を感じなかった。
マルゾッキ製の倒立フォークはこの排気量帯としては太めのインナーチューブ径45mmを採用。ハンドル切れ角は太い倒立フォークを入れたことでやや少なく感じるが、シングルトラックのウッズセクションを走っても不都合を感じなかった。ストロークは150mmを確保。
フロントホイールサイズは19インチでタイヤはピレリのスコーピオンラリーSTR。ブレーキはφ330mmのフローティングディスク&ラジアルマウントをシングルで装備。
フロントホイールサイズは19インチでタイヤはピレリのスコーピオンラリーSTR。ブレーキはφ330mmのフローティングディスク&ラジアルマウントをシングルで装備。
ハンドル幅は890mmとやや広めに確保し、ダートセクションでのコントロール性をアップ。ミラーはオフロード走行で便利な折り畳み式。
ハンドル幅は890mmとオフロードバイクのようにやや広めに確保し、ダートセクションでのコントロール性をアップ。ミラーはオフロード走行時に邪魔にならない折り畳み式を採用。
ヤマハのCP2エンジン(ユーロ5対応)を採用。フィーリングはテネレ700ともMT-07とも若干違うが、基本的な味付けの方向性は一緒。270度クランクらしい歯切れのいい、軽やかな吹け上がりが持ち味だ。
ヤマハのCP2エンジン(ユーロ5対応)を採用する。フィーリングはテネレ700ともMT-07とも若干違うが、基本的な味付けの方向性は一緒。270度クランクらしい歯切れのいい、軽やかな吹け上がりが持ち味となっている。
タックロール風のデザインだが、スタンディング走行時の前後の荷重移動もしやすい。グラブバーも標準装備。
クラシカルなタックロール風のデザインだが、スタンディング走行時の前後の荷重移動もしやすくなっている。グラブバーも標準装備。
車体右側には2本出しのサイレンサーにゼッケン風のサイドカバー。もちろん二人乗りも可能だ。
車体右側には2本出しのサイレンサーにゼッケン風のサイドカバー。もちろん二人乗りも可能だ。
光源はヘッドライト、ウインカーやウインカーはもちろん、テールランプやナンバー灯含めてLEDを採用。
光源はヘッドライト、ウインカーやウインカーはもちろん、テールランプやナンバー灯含めてLED。
アルミ製のスイングアームを採用。リヤショックはマルゾッキ製のリンク式で、ホイールトラベルは150mmを確保。プリロード調整も可能だ。
他のキャバレロ スクランブラーが鉄製のスイングアームを採用するのに対し、700は鋳造アルミ製のスイングアームを採用している。リヤショックはマルゾッキ製のリンク式で、ホイールトラベルは150mmを確保。プリロード調整も可能だ。
ワイド&ギザギザステップ&可倒式ペダルといった装備は本格オフロード走行を見据えての仕様。ラバーパッドも取り外せルようになっている。
ワイド&ギザギザステップ&可倒式ペダルといった装備は本格オフロード走行を見据えての仕様。ステップのラバーパッドは簡単に取り外せるようになっている。
丸型のメーターは形こそオーソドックスだが、フルデジタルで携帯電話接続機能やライディングモード切り替え機能も有する。
丸型のメーターは形こそオーソドックスだが、フルデジタルで携帯電話接続機能や、トラクションコントロールやABSの介入度が変わる走行モード切り替え機能も有する。
シート下に収納スペースはほぼなく、なんとかETC車載器が入るかどうかといったところ。
シート下に収納スペースはほぼなく、なんとかETC車載器が入るかどうかといったところ。エアクリーナーボックスへのアクセスもしやすい。
IMUを備えており、ABSをコーナリング用に切り替えたり、ウイリー制御などのトラクションコントロールにも活かしている。
IMUを備えており、ABSをコーナリング用に切り替えたり、ウイリー制御などのトラクションコントロールシステムにも活かしている。
燃料容量は13.5ℓで警告灯点灯時の燃料残量2.5ℓ。圧縮比は11.5とテネレ700やMT-07と一緒だが、こちらはハイオク仕様となっている。
燃料容量は13.5ℓで警告灯点灯時の燃料残量は2.5ℓ。圧縮比に関しては11.5とテネレ700やMT-07と一緒だが、キャバレロ スクランブラーはハイオク指定となっている。