ファンティックのキャバレロ スクランブラーシリーズの特徴は、なんといってもそのオフロード適性の高さにある。フロントホイール19インチ&リヤホイール17インチのキャラクターは125cc~700ccクラスまでシリーズを通して共通。どれを選んでもオフロード走行が楽しいモデルになっている。
キャバレロ スクランブラーシリーズに乗ってみて感じる共通のキャラクターは、お尻を振りやすいテールハッピーでスライドコントロールがしやすいということ。流石に125ccのスクランブラー125はエンジンパワー的にスロットル操作一つ……とはいかないが、そのほかの排気量であればパワースライドが簡単に楽しめるのだ。
というのも、このキャバレロ スクランブラーシリーズは、一般的なオフロードバイクとは違い、フレームもスイングアームも横方向の剛性がやや高めに設定されている。一般的なオフロードバイクでは車体がしなって路面に踏ん張り前へ進むところでも、車体剛性が高めなおかげでテールスライドが簡単に発生する。確かに単純な“速さ”で言えば、応力がかかったときにしっかり路面に踏ん張り、グリップするマシンの方が前に進んでタイムも縮められるだろう。
ただキャバレロ スクランブラーシリーズはそういうバイクじゃない。テールハッピーなキャラクターで、リヤタイヤをズリっと流したりして遊ぶのが楽しいバイクになっている。変に車体が踏ん張らずスロットルを開けたら、開けた分だけリヤが流れるのでテールスライドがコントローラブルなのだ。
新型のキャバレロ スクランブラー700も、もちろんそういうマシンになっている。しかも、排気量は689ccもあり、スロットルワーク一つでキャバレロ スクランブラーシリーズらしい大きなテールスライドが決まる。このパワーのおかげで、シリーズで一番パワースライドがしやすいバイクになっていると感じた。